トレードを実行するためには、独自にチャートを用意し、そのトレードルールを作らなければいけません。
ただし、”何となく、効きそうなインジケーターを組み合わせて作った”、とか、”何となく良さそうなので有料のチャートを購入してみた”・・という曖昧なものではまったく役に立ちません。
相場がどんな状態の時にトレードをするのかが明確で、自信を持って使うことのできるチャートでなければなりません。
トレードスタイルを決める
チャートを用意するにあたって、まずは、トレードスタイルを決めておかなければなりません。
トレードスタイルは大きく次の3つに大別されます。
- スキャルピング(超短期=1トレードを数分程度で完結)
- デイトレード(短期=1日で完結して翌日に持ち越さない)
- スイングトレード(長期=数週間にわたって保有し続ける)
どのスタイルでトレードするかは勘や好みで決めるのではなく、必ず、自分の生活スタイルや性格を加味して決めて下さい。
例えばサラリーマンの方で、朝から晩まで自分の時間がなかなか取れないような場合には、スキャルピングやデイトレードは現実的には難しく、スイングトレードのように、のんびり、じっくりと構えてやれるスタイルを選ぶべきです。
主婦の方や自営業の方など、日中の時間をある程度自由に調整できる方は、スキャルピングやデイトレードでもいいでしょう。
このように生活スタイルを決して犠牲にすることなく、さらに自分の性格(これもとても大事)もよく考慮に入れてトレードスタイルを決めるようにして下さい。
性格に合ったトレードスタイルを採用しないと、違和感を感じて頻繁にチャートを変えるようになったり、いつまで経っても安定したトレードができない大きな原因のひとつになります。
狙いも使うインジケーターも根拠を明確に
自分で作り上げるにしろ、有料で購入するにしろ、用意するチャートは、手法としての狙いと根拠が明確でなければなりません。
一例をあげれば・・・、
- 東京タイムにつけた高値安値ボックスのブレイク狙い
- 2本の移動平均線のクロス(押し目)を待つ、トレンド継続狙い
- サポートレジスタンスラインのブレイク狙い
- ストキャスティクスの買われすぎ売られすぎからの反転狙い
など、様々なものがあります。
また、チャート上に描画するインジケーターも、自分で理解できないもの、納得できないものは使ってはいけません。
このようなチャートでは、なかなか安定したトレードができません。
チャートの用意の仕方
チャートを用意するには、大きくふたつの方法があります。
ひとつは、自分で様々なインジケーターや投資の理論を学んで独自に組み上げるやり方、もうひとつは有料でチャートを購入するやり方です。
自分でチャートを作る
FXに関わる様々な理論やインジケーターを、ゼロから理解してチャートを組み上げるためにはかなりの時間を必要とします。
ただ、後々のことを考えれば、FXに関する知識を広く深く持つことができ、理論と実践を兼ね備えたトレードができるようになる・・と言う強みを持つことにつながります。チャートを購入する
既成のチャートを手に入れる
有料・無料にしろ、他者の作り上げたチャートを手に入れる場合には、そこに使われているインジケーターやトレードのロジック(理論)を、概念的でも構わないので最低限理解することが必要です。
こうしたことをほとんど何も理解できないまま、「80%以上の高勝率!」だとか、「絶対儲かる!」などのセールスコピー(売り文句)に引き込まれて購入することは、絶対に避けなければいけません。
トレードルールをまとめる
用意したチャートに沿って、より具体的に、より詳細にトレードルールをまとめます。
トレードルールをまとめる際に必要な項目は・・、
- エントリー条件は?
- エントリータイミングは?
- 損切りを置く場所は?
- 損切り幅は何pipsまで? それとも制限なし?
- 決済のタイミングは?
・・などがあります。
デモトレードを繰り返すことによって、相場環境を的確に認識し、エントリー・決済するまでの一連の流れを、漏れのないようにトレードルールとしてまとめなければなりません。
さらに重要な資金管理に関するルール
もちろん、さらに大切な資金管理に関するルールを忘れてはいけません。
これは、前述のチャート上のルール以上にさらに重要な位置づけで、FXを稼げる副業にするための根幹となるものです。
- 1ポジションあたりの損失許容額は何%?
- 1ポジションの適正ロットは?
- 同時ポジション数は?
- 単利運用 or 複利運用?
・・などがあります。
お金に関するルールについて、ひとつひとつの項目をもう少し詳しくみていきます。
1ポジションあたりの最大許容損失額は何%?
1回のトレードにつき、総資金に対してどれくらいの資金を失くすことを許容するか・・これを決めておく必要があります。
例えば、総資金が100万円ある時を考えてみます。
1回のトレードで10%を失うことを許容するルールであれば、金額にすると1回のトレードで10万円のリスクを許容することになります。
つまり、10回連続して負けたら100万円の資金をすべて失うことを許容しながらトレードを続けるということです。
人によって、トレードスタイルも手法も勝率も異なるため一概には言えませんが、多くのトレーダーが目安とする損失許容額は、総資金のおよそ2%~5%程度と言われます。
1ポジションあたりの適正ロットは?
エントリーは、適当に決めたロットではなく適正なロット(=取引数量)を計算したうえで行わなければなりません。
適正なロットとは・・1ポジションあたりの許容損失額を厳守できるロットであって、ルールとして明確に決められている必要があります。
同時ポジション数は?
複数の通貨ペアでトレードしている時など、複数のエントリーシグナルがほぼ同時に発生したりします。
このような時、同時に保有できるポジション(通貨を買っている、または売っている状態)の数を決めておく必要があります。
エントリーシグナルが発生したら、その都度、制限なくポジションを持ってしまうということは、資金管理がまったくなされていない状態でトレードをしている・・という危険な状態であると言うことです。
単利で運用? or 複利運用?
このルールは収益に大きく影響してきます。
元になる資金総額が常に一定の単利と呼ばれる運用方法と、獲得した利益を当初の資金にプラスして元になる資金総額そのものを増やしていく複利と呼ばれる運用方法があります。
理論的には、複利運用でトレードをしたほうが格段にスピーディーに資金を増やすことができます。
ただし、複利運用では獲得した利益も次の投資資金に充当するため、いつまで経っても利益を自由に使うことができないなどのデメリットもあります。
単利複利それぞれのメリットデメリットを充分に理解し、納得のいく資金管理ルールを作る必要があります。